2019年 10月 09日
久々の充実沢登り…白倉谷〜金草岳 |
楢俣川駐車地7:40ー桧尾峠登山口8:00ー
白倉谷出合8:40ー650m二俣11:00ー
登山道12:35ー金草岳12:55〜13:40ー
桧尾峠14:15ー添又谷550m二俣16:00ー
桧尾峠登山口16:50ー駐車地17:10
前日の雨の為か道中に見た赤谷(アカンタニ)はかなり増水して濁っていた。
これから向かう白倉谷の状況が気になる。
ガスッた冠山峠を過ぎると福井県だ。
この道を通るのは何年振りだろう。
楢俣川の出合までが随分長く感じた。
実際、大きく曲がりくねった道は距離が長い。
途中で工事が行われていた冠山トンネルが完成すれば
かなりの時間短縮となる事だろう。
楢俣川沿いには未舗装の林道が入っている。
しかし、道路状況がわからない。
そのため適当な駐車地を見つけたところで車を降りた。
結果的には桧尾峠登山口まで乗り入れる事ができたのだが
不安を抱えて車を入れるより歩く方がずっと気が楽だ。
桧尾峠登山口から対岸にコンクリート製の橋が架かるが
その先は廃道。
登山道は楢俣川沿いを奥に進んで行く。
すぐに渡渉して尾根へ続く登山道と別れて穏やかな流れを遡る。
やや増水しているようだが遡行するのに問題はなさそうだ。
濁りも濃くない。
2つある堰堤はどちらも右手から越えていく。
2つ目を越えたところが丁度二俣となっている。
左が遡行予定の白倉谷。
出合付近はテン泊に向きそうな平が広がっている。
右はシモットノ谷というらしい。
地形図では右が白倉谷であるかのような表記がされているが違うようだ。
シモットノ谷は2011年に遡行。
白倉谷はその時以来温めていた沢だ。
というか、行きたいと思いつつ、ほかりっ放しだった。
数年前に僕の提案でOSKの企画に取り上げられたが
その時は参加せずじまいだった。
やっと遡行する時がきた。
入りはやや流木が多い印象。
ここのところの荒れた気象によるものだろうか。
それでも歩くのに支障を感じる事はなかった。
沢が細くなり左右が立ってきたところに小さな淵。
でも深さがわからないし流れ込む水流は速い。
右手に外傾した細いバンドがありその先にフィックスロープが
垂れ下がっているがそこまで行くのが危うい。
無理せずに左岸を巻く。
しかし、今度は下降が難しい。
一旦、樹木を手がかりに下りかけたものの
下部で行き詰まる。
懸垂しようと支点を探しに登り直す。
その際に何気なく掴んだ木が倒木だった。
その倒木が下にズレ落ちてきて身体を1mほど持っていかれた。
瞬間的に傍らの木を脇で挟み込んで何とか身体を止める事ができた。
倒木はそのまま底まで落ちていった。
危ういところだった。
懸垂して河床に降り先に進むと今度は5mほどの滝が怒濤のごとく落ちていた。
両岸とも立っていて直近で巻く事はできなさそうだ。
懸垂で降りた辺りまで戻って登り返す。
すると上部にはうっすらと踏み跡らしきものがあった。
まだそれほど古くない鉈目も見られた。
先人も同じように巻いたのだろう。
悪場を巻き終わるとホッとするような癒しの渓相が迎えてくれた。
この谷は基本的にこの繰り返しだった。
2つ目のゴルジュも怒濤の水量。
左岸の小尾根から高巻く。
巻きの途中からねじれた2段滝であるのが見えた。
尾根筋を乗っ越すとブナ林の急斜面を下って落口に至る。
落口の間近にまで立派なブナが立ちなかなかの景観。
次に現われたのは大きめの淵を持つ3m滝。
少し位は滝も登らなければとへつって直登。
そしてまた癒しの空間に出てしばしの休憩。
枝沢からも立派な滝が落ちる。
3つ目のゴルジュ。
4m程の滝はやはり左岸巻き。
次の4m2条もその奥にある滝と一緒に左岸巻き。
これが最後のゴルジュですぐに650mの二俣に出る。
二俣から先は苔むした岩が沢を覆う。
やや薮っぽいところもあるが概ね歩きやすい。
これまであまり滝を直登してなかったので
ここぞとばかりに出てくる2mそこそこの小滝を直登して遊ぶ。
お!ジャンダルムが見えてきた!
わずかばかりの秋の収穫。
800m二俣を左に進むと左岸に滝が架かっていた。
まさに“そうめん滝”
斜度がきつくなってくると薮沢っぽくなり水流も涸れた。
上部で再び流れが現われ滝も現われた。
その沢筋を左へ左へとる。
詰めが意外と長く感じた。
最後はズルズルの泥斜面とわずかな笹薮を越えて登山道へ飛び出た。
そこは白倉岳東の小鞍部だった。
思ったより時間のかかる遡行だったので
金草岳に行くのを迷ったが折角だから登頂する事にした。
途中で下山してくる男女のハイカーとすれ違った。
出会ったのはそれだけで山頂は貸し切りだった。
ガスに隠れていた冠山だったが時間が経つと姿を現した。
下降は添又谷の予定。
休憩後、高速道路のような登山道を桧尾峠に向かう。
桧尾峠には以前は祠が建っていたが今は何もない。
ここから更に登山道を少し下ったところに水場がある。
そこから下降開始。
添又谷については「何もない」と書かれたものを読んだ記憶があった。
だから何もないものと下降を始めた。
が、すぐに3mほどの滝が現われた。
それでも「まあ、何もないといってもこれくらいはあるわな」
程度に思っていた。
ところがその後も現われる滝、滑。
「何もない」といえる状態ではない事が次第にわかってきた。
6mを越えるような滝も現われた。
もはや「何もない」なんて言えないよ、絶対。
地形図を見た時に550mから700mあたりは
ゴルジュになってそうだと思ったけど本当にそうだった。
次々と現われる滝と淵。
一瞬降りるのを躊躇う滝もあった。
それでも大巻きする事もロープを使う事もなかった。
腰まで浸かって越える淵も幾つかあったが寒さは感じなかった。
540m二俣は左俣の方が本流のように見える。
地形図を見てもそちらの方が水域が広い。
が、水線は右俣に書かれている。
何故だろう。
二俣を過ぎてすぐにゴルジュが現われる。
これが最後のゴルジュだった。
ここも腰まで浸かって越える。
ゴーロの穏やかな沢筋が続くようになる。
植林が見えたところでピンクの目印が出てきたので辿った。
しかし、植林に上がったり川原に出たりで
沢筋を下っても大した差はなさそうだった。
堰堤が近づくと広々とした川原が続くようになる。
堰堤手前で右岸にあがり廃道跡を辿って
朝見たコンクリート橋に出ると長かった沢旅も終了が近い。
by two2106
| 2019-10-09 23:59
| 沢登り
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